ヒット商品の大きな売上貢献と小さな改善積み上げの貢献は、どちらが偉いか

クライアント様との取り組みの中で、「ヒット商品のような話題性のある商材でどーんと当てるのに比べたら、いまやっているサイトの小さな改善の積み上げって、社内では見劣りするんですよね」というような会話になることがあります(お互いに切磋琢磨している良好な関係下での会話です)。

このチームでは、分析やA/Bテストなどを経て小さいながらも着実に「改善」を積み上げています。一方で、他のチームによるヒット商品やサービスが大きく話題になったりすると、悲しいかな、企業の売上も注目もそのヒット商品に派手に持っていかれてしまいます。バイヤーや開発部門や営業の方がなんとなく評価されやすく、片や小さな改善を積み上げるチームは少し影が薄い、どうしたものですかね、と。

難しい話ですね。まだ少人数の小さな事業体のときは、なんだかんだと売上や利益が確保できなければ生き残れないですから、大きな貢献の方がありがたいのはそのとおりです。

一方で、ある程度軌道に乗ってきた事業体であれば、その組織なりの「方法論」「セオリー」を身にまとった上で、安定したビジネスを動かしていかなければいけません。

「改善の積み上げ」は、その後者の方でより必要な取り組みではないでしょうか。試行錯誤しながら、その企業が実施した「トライ」を、「ナレッジ」や「インテリジェンス」に着実に転換していく、それはそれでそのフェーズの企業にとっては評価されるべき活動のはずです。

まだ小さい事業体では、大きめの改善の積み上げ実績を残さないといけません。本来は一緒に比較すべきものじゃないかもしれません。一緒にがんばりましょう。


このコラムは、2016年11月15日発行のニュースレター「真摯レター」のコラムを再編集したものです。ニュースレターの購読はこちらから。

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