※この記事は2014年7月に書かれた記事であり、古い記述内容となります。
GoogleウェブマスターツールとGoogleアナリティクスを連携させると、Googleウェブマスターツールの「検索クエリ」のデータがGoogleアナリティクスでも閲覧できるようになります。一見それだけの連携のため、思ったほどの特徴がないように見えるのですが、偶然なのか隠れた機能なのか、この連携で初めて利用できることが2つあります。
- キーワードの検索順位の日別推移の把握
- メール配信機能による定期的なデータのダウンロード
目次
1. キーワードの検索順位やCTRの日別推移を把握する
Googleウェブマスターツールの「検索クエリ」のレポートでは、各キーワードの「表示回数」と「クリック数」の日別の推移は確認できますが、「CTR」と「平均掲載順位」は対象期間の平均の数字でしかわかりません。
しかし、Googleアナリティクスとの連携で、なぜか「CTR」と「平均掲載順位」の日別の推移も確認できるようになります。CSVでのダウンロードも可能です。不思議です。
▲GoogleウェブマスターツールとGoogleアナリティクスの連携で、流入キーワードの「平均掲載順位」「CTR」の推移が確認できるようになる(「検索クエリ」レポート)
手順
Googleアナリティクスの[集客>検索エンジン最適化]にある「検索クエリ」レポートにて、データテーブル上部にある「アドバンス」をクリックし、アドバンスフィルタ機能でデータを特定キーワードで絞り込みます。
データテーブルにあるキーワード(つまりサイトに流入のある自然検索キーワード)の中から、確認したいキーワードを「完全一致」で指定し、「適用」ボタンをクリックします。
「検索クエリ」のレポートのグラフが「表示回数」での表示になっているので、グラフ表示の指標を「平均掲載順位」と「CTR」で指定します。
特定キーワードの、検索順位とCTRの推移グラフが表示されました。通常のグラフ軸のため、検索順位が上位の場合(数値が小さい場合)はグラフ上では下の方にプロットされ、検索順位が下位の場合(数値が大きい場合)はグラフ上では上の方にプロットされることに、注意が必要です。
順位の日別推移のデータをダウンロード
メニューの「エクスポート」からCSVやTSV、Excel形式などを選択すると、グラフ表示で指定する指標の日別の数値がダウンロードできます。ややこしいですが、グラフ表示で指定しない指標の数値はエクスポートされません。先ほど紹介の例でエクスポートすると、平均掲載順位とCTRの推移がダウンロードされます。
正直なところ、なぜこれがGoogleアナリティクス上で利用できて、Googleウェブマスターツールでできないのかがわかりません。
(結構重要な)注意点
- ウェブマスターツールではデフォルトで「ウェブ検索」でフィルタされた表示になっていますが、Googleアナリティクスではそのフィルタが利用できません
- つまり、Googleアナリティクスで取得する指標(表示回数やCTR、平均掲載順位など)は、「ウェブ」「動画」「携帯電話」「画像」のすべてを含んだ数値です
- 執筆時点では、ウェブマスターツールの数値は端数まで厳密な数値を返していますが、Googleアナリティクス側の数値は概数のままです。厳密な数値ではありません
- データの保持期間はウェブマスターツールに準じるため、直近の約3か月分のデータしか保持していません
いろいろと謎仕様ですが、上記の理由でウェブマスターツールとGoogleアナリティクスの数値は少し異なります。それを踏まえた上で扱う必要があります。
「表示回数」と「クリック数」の母数が大きいキーワードでなければ、平均掲載順位やCTRは大きくぶれます。いわゆるビッグキーワードや需要の高いキーワードなど、サイトへの流入の多いキーワードで把握するのが良いと思います。
2. メール配信機能で、定期的にデータをダウンロードする
Googleウェブマスターツールには定期的にデータを配信する仕組みはありませんが、連携すれば、Googleアナリティクスのメール配信機能を使って定期的にデータをダウンロードできます。
これは過去に一度紹介しています。
Googleウェブマスターツールの検索クエリデータを自動でダウンロードしたいなら – makitani.com
手順
Googleアナリティクスの「検索クエリ」レポートのデータテーブルの表示件数を、最大の5,000件にします。
5,000件表示のまま、メニューの「メール」をクリックしてメール配信設定をします。
(結構重要な)注意点
- Googleアナリティクス側で「直近の2日間には利用できるデータがありません」とアラート表示されるとおり、ウェブマスターツールの仕様で直近の数日(今日と昨日)のデータが取得できません。つまり、日次の配信ではデータ取得ができません。週次や月次の配信でも、直近の1日分が欠損した状態で配信されます
- (その他、先ほど挙げた注意点はすべて当てはまります)
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各キーワードの検索順位やCTRの日別推移や、メール配信機能は、本来ならGoogleウェブマスターツール側にあってしかるべき機能です。それがなぜか、Googleアナリティクスとの連携で初めてGoogleアナリティクス側で利用できるという、少し不思議な状態になっています。
おそらく意図せず偶然このような状態なのでは?と推測しますが、Web担当者にとってはそれぞれ重宝する機能のはずです。これら以外にそれほど活用できる場面は少ないのですが、GoogleウェブマスターツールとGoogleアナリティクスをまだ連携していなければ、連携しておくとよいでしょう。