「空・雨・傘」とリンクする「データ→インフォメーション→インテリジェンス」の流れ

「空・雨・傘」という考え方を知ったのは数年前のことでした。どなたかがブログ記事で紹介しているのを読んで、なるほどシンプルで説明しやすい内容だなと感じました。

「空・雨・傘」は問題解決と意志決定のためのフレームワーク

「空・雨・傘」は、問題解決と意志決定のためのシンプルな考え方です。「空が曇っている(事実)、雨が降りそうだ(解釈)、傘を持っていこう(判断)」というもの。意志決定に至るプロセスを分解して、シンプルにロジカル思考を進められます。マッキンゼーなどで用いられているフレームワークだそう。


Situation
空が曇っている 事実、状況。データを客観的に正しく収集し、事実を認識する段階

Observation
雨が降りそうだ 解釈、見解。事実を把握した上での分析や解釈、評価、その状況への意味づけ

Implication
傘を持っていこう 結果、判断、提案。解釈した上での結果、取るべき行動


▲「空・雨・傘」(クラスメソッド社のDevelopers.IOの記事をベースにアレンジ。後述)

数年前に読んだその記事を検索して探したのですが見つけられず、残念ながらその記事を紹介できないのですが。

英語では、「空・雨・傘」は「Situation, Observation, Implication」だそうです(未確認)。

「データ」と「インフォメーション」と「インテリジェンス」の違い

その「空・雨・傘」の中で、「データ→インフォメーション→インテリジェンス」の流れがリンクしていると思うのです。

ここで少し「データ」と「インフォメーション」と「インテリジェンス」の違いについて説明しておきます。どれも日本語では「情報」と訳されるかもしれません。しかし意味合いが異なります。

データ
収集できるあらゆる情報のこと
インフォメーション
データからピックアップされた「意味のある情報」のこと。体系立てて整理されていることが多い
インテリジェンス
インフォメーションからピックアップされ、分析や解釈を施された情報のこと


▲データとインフォメーションとインテリジェンス(ちょっと簡略化しすぎ感)

あるときふと、「空(事実)から雨(解釈)、傘(判断)の課程には、データ→インフォメーション→インテリジェンスの流れを含んでいるよね?」と気付きました。

  • まずは事実(データ)を集めなさい
  • それを要約しなさい(インフォメーション)
  • 解釈して対象者に適切に伝えなさい(インテリジェンス)


▲「空→雨→傘」の課程には、「データ→インフォメーション→インテリジェンス」がリンクしている

事実の収集から、解釈、アクションへ


▲「空→雨→傘」と「データ→インフォメーション→インテリジェンス」

事実は、多くかつ多様なものを集めること。限定的なデータで満足せず、複数の側面で状況を把握できるように。

それらを整理して、要旨にまとめること。箇条書きで3~7つ程度にまとめるのも良い。

あなたはそれらに対してどう評価しているのか、どのような見解を持っているのか

あなたの解釈といまの状況を鑑みて、どのようなことが起きるのか、どのようなアクションを取ればよいのか

どうも「空から雨」には「インフォメーション」がまたがり、「雨から傘」には「インテリジェンスがまたがりそうです。

例えば、新しいメンバーや若いメンバーに「分析+改善」のトレーニングをしていくとき、経験を積ませる一つの手法としてこれを取り入れられないか、と考えています。プロジェクトの初期の取り組みとしては有効だと感じます。


この記事は、アナリティクスアソシエーションの記事「『空・雨・傘』と『データとインフォメーションとインテリジェンスの違い』」の続き、別視点のものとして書きました。

【コラム】「空・雨・傘」と「データとインフォメーションとインテリジェンスの違い」 – アナリティクス アソシエーション

「空・雨・傘」の図解は、クラスメソッド社のDevelopers.IOの記事をベースにアレンジしています。その記事では既に「空・雨・傘」から卒業されているようなのですが笑

【思考整理】3年やってみた「空・雨・傘」方式を平成の終わりと共にマインドマップに変えてみた。 | Developers.IO

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