「前年比」のデータが扱いにくい状態になっているところが多いはずです。
従前からの基準として引き続き把握しつつも、もしそれがKPIの把握として機能しなくなっているのであれば、異なる視点で新たな基準を設ける必要があります。しばらくは仮のものとして「前々年比」を用いるのも良いでしょう。「前年比を調整する」も一つの選択肢ですが、数カ月先を予測しにくい現状では妥当な調整は困難なはずです。
「前年比」のデータが扱いにくい状態になっているところが多いはずです。
従前からの基準として引き続き把握しつつも、もしそれがKPIの把握として機能しなくなっているのであれば、異なる視点で新たな基準を設ける必要があります。しばらくは仮のものとして「前々年比」を用いるのも良いでしょう。「前年比を調整する」も一つの選択肢ですが、数カ月先を予測しにくい現状では妥当な調整は困難なはずです。
自社ビジネスがどうありたいかは選んだKPIに表れる、というのは一側面としてそうだと感じます。SaaSなどのスタートアップやユーザー向けサービスの提供企業、ECもそうですしオウンドメディアなどもそうでしょう。どのような指標をキーとして把握しているかによって、そのビジネスが向かう方向が決められます。
逆に言えば、月並みなKPIを適当にそろえているだけでは、月並みな存在に終わるかもしれない、ということです。
真摯は、創業10周年を迎えました。
10年前の2010年8月に、私、いちしま泰樹は独立して個人事業として仕事を始めました。2012年に法人化して法人としては9期目ですが、事業としては丸10年を迎えて11年目を歩き始めました。
当初は新宿にオフィスを構えていましたが、2018年秋から西荻窪にオフィスを移し、いまはStay Safeに業務を行っています。「え?西荻窪ですか?」とたまに少し驚かれますが、はい、西荻窪は静かで良いところです。ビジネスの街ではないかもしれませんが。
多くの人と良きクライアント様に恵まれました。本当にありがとうございます。指標を見つけること、計測と分析、改善支援の領域に携わってきました。
これからもどうぞよろしくお願いいたします。
ウェブは少しずつ閉じ始めてきました。オープンウェブからクローズドアプリへというテーマは、iPhoneやFacebookが普及し始めた2010年頃から言われ始めましたが、2020年には「閉じた要素」が多く揃いました。
ウェブは閉じた方向に向かっています(もちろん現実世界との接続など拡大もしていますが)。私たちは、ビジネスを動かしたり分析や改善を行ったりするとき、閉じ始めたウェブにも向き合わなければなりません。
以下の6つの項目に沿って話を進めます。
2020年6月16日より、動画学習サービス「Udemy」にて動画講座『Googleアナリティクスを使った深掘りと改善視点の分析アプローチ』の提供を開始しました。
2019年3月にアナリティクスアソシエーションで実施したセミナー「ビジネスGoogleアナリティクス基礎講座 第3回『深掘りと改善視点の分析アプローチ』」の内容を再編集し、コンテンツも追加して収録いたしました。
提供開始を記念して、Udemyにて1,200円にて受講していただけます。クーポンコード「CINCI2020」が必要です(2020年6月21日20時頃まで)。 このキャンペーンは終了いたしました。
6月22日追記。Udemyにて1,680円にて受講していただけます。クーポンコード「CINCI202006」が必要です(2020年7月22日まで)。
「最適化」は、整った仕組みがある前提での取り組みです。その前提の中で、どれだけより良くするか、効率化するか、ネガティブ要素をつぶしていくかといったことを進めます。「改善」もおそらく同じニュアンスでしょう。連続的な成長を支える地道な取り組みです。
しかし前提が変われば、うまく機能しないものが出てきます。
改善ではなく「解決」は、前提が変わればゼロから改めて考えることになります。いまの混乱した状況下でネガティブな事象が起きているのであれば、最適化は横に置き、場合によってはリセットし、改善ではなく「解決」を進めるのが良いと感じます。
変化を受け入れること。
しかも順応性高く。
サイトやページの滞在時間、アプリ利用時間は実は重要。ユーザーの可処分時間は有限だから。ただ従来のGoogleアナリティクスは離脱ページ直帰ページで計測されず難あり。
なので新バージョンGA「アプリ+ウェブ」やFirebaseのエンゲージメント率やそれ軸のエンゲージメント時間、平均閲覧時間は期待大
— いちしま泰樹🍏株式会社真摯 (@makitani) May 18, 2020
Webサイトやページでの滞在時間、アプリの利用時間といった「利用時間の把握」は重要です。ユーザーの可処分時間が有限だからです。限りある時間の中で、ユーザーにどれだけ自分たちのWebサイトやサービスを利用されているか、接点を設けられているかは、関係性の構築の面でも重要な要素です。
先日、アナリティクスアソシエーションの大内さんのコラムが私の心に響きました。
「The Death of Cookie(クッキーの死)」によって、もうWebやオンラインの行動データは「補足」だろう、と。Web解析のデータやツール機能は信じてみるけれども、Cookieは徐々に死んでいるのでデータはその程度で、分析の「主」にはならないよね、という内容です。
確かに軸足は顧客データになるだろうし、私たちはもう標準で取得できるようなWeb解析のデータを盲目的に過信すべきではないのでしょう。ユーザー軸の分析に進めば進むほど、その流れはそうだと感じます。
「直接アクセス」「ノーリファラー」などとも呼ばれるダイレクトトラフィック。昔から定義そのものは変わっておらず、「リファラー情報を取得できないサイト流入」を意味します。
ダイレクトトラフィックは、これまで「ご指名系の流入」「リピーター層」と捉える風潮もあったように思います。「ブラウザーブックマーク経由流入」「URLの直接入力やオートコンプリートでの流入」が一定数含まれるためです。
しかし、もう近年はそのような「エンゲージメントがきっと高い流入」ばかりではなくなりました。リファラー情報を取得できないトラフィックは多様化し、当初からの定義のとおり「どこから来たのかが不明」なものが増加しているはずです。やっかいなのは、どれだけの量と種類が増えたのかがわからないという点です。
このような「リファラーが不明な流入」は、「ダークトラフィック」とも呼ばれます。ネガティブな意味はありませんが、これまで一方的に重要さを背負わせていた状態ではなくなった、と言えます。文字通り「どこからやってきたかわからない流入」です。
アプリとWebサイトを併用して運用している場合、ユーザーのアクティブ率やスティッキネス(粘着性)の把握のために、Webサイトでも「DAU/MAU比率」の指標を把握しても良いのかもしれません。アプリとWebサイトがユーザーにとって「類似の体験」として運用している場合に、です。
「Webサイトを運用していて途中からアプリの運用も始めた」場合、ユーザーの利用の一部はWebサイト中心からアプリ中心へと移行します。運営側は「Webとアプリの全体で成長しているか」を一つの基準にしますから、両者に共通する指標があると把握しやすくなります。アプリの分析ツールにセッションの概念がない場合、共通して状況把握できる指標が限られるというのもあります。
注釈:
DAU/MAU比率は、主にWebサービスやアプリなどにおいて日常的にどれぐらいの頻度で利用されているかというアクティブさ、粘着性(スティッキネス)を測る指標の一つです。DAU(デイリーアクティブユーザー数)をMAU(月間アクティブユーザー数)で割った比率で計算されます。
DAUは1日間にサービスを利用したユーザー数、MAUは30日間(もしくは28日間)に1回以上サービスを利用したユーザー数を表すを表す指標です。