閉じ始めたウェブ、把握できないものが増え、しかしそれこそが重要になってきた

ウェブは少しずつ閉じ始めてきました。オープンウェブからクローズドアプリへというテーマは、iPhoneやFacebookが普及し始めた2010年頃から言われ始めましたが、2020年には「閉じた要素」が多く揃いました。

ウェブは閉じた方向に向かっています(もちろん現実世界との接続など拡大もしていますが)。私たちは、ビジネスを動かしたり分析や改善を行ったりするとき、閉じ始めたウェブにも向き合わなければなりません。

以下の6つの項目に沿って話を進めます。

  1. 囲いの中での行動を優遇し始めたプラットフォーム
  2. 非公開アカウントとクローズドコミュニケーションの増加
  3. エンゲージメントの一定量を非公開アカウントが占める
  4. ウォールドガーデンやペイウォールは一般的に
  5. Cookieベースの計測の制約や限界、個人情報を尊重した計測
  6. 国境が見え始めたインターネット

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Udemyで動画講座『Googleアナリティクスを使った深掘りと改善視点の分析アプローチ』の提供を開始しました

Googleアナリティクスを使った深掘りと改善視点の分析アプローチ(アクセス解析の基礎) – Udemy

2020年6月16日より、動画学習サービス「Udemy」にて動画講座『Googleアナリティクスを使った深掘りと改善視点の分析アプローチ』の提供を開始しました。

2019年3月にアナリティクスアソシエーションで実施したセミナー「ビジネスGoogleアナリティクス基礎講座 第3回『深掘りと改善視点の分析アプローチ』」の内容を再編集し、コンテンツも追加して収録いたしました。

提供開始を記念して、Udemyにて1,200円にて受講していただけます。クーポンコード「CINCI2020」が必要です(2020年6月21日20時頃まで)。 このキャンペーンは終了いたしました。

6月22日追記。Udemyにて1,680円にて受講していただけます。クーポンコード「CINCI202006」が必要です(2020年7月22日まで)。

Googleアナリティクスを使った深掘りと改善視点の分析アプローチ(アクセス解析の基礎) – Udemy

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前提が変われば「最適化」の見直しやリセットが必要

「最適化」は、整った仕組みがある前提での取り組みです。その前提の中で、どれだけより良くするか、効率化するか、ネガティブ要素をつぶしていくかといったことを進めます。「改善」もおそらく同じニュアンスでしょう。連続的な成長を支える地道な取り組みです。

しかし前提が変われば、うまく機能しないものが出てきます。

改善ではなく「解決」は、前提が変わればゼロから改めて考えることになります。いまの混乱した状況下でネガティブな事象が起きているのであれば、最適化は横に置き、場合によってはリセットし、改善ではなく「解決」を進めるのが良いと感じます。

変化を受け入れること。
しかも順応性高く。

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エンゲージメント時間は「ユーザーが自分たちのサービスに1日どれだけ時間を費やしてくれているのか」の把握の鍵を握るのか

ユーザーの可処分時間は有限、「利用時間の把握」は重要

Webサイトやページでの滞在時間、アプリの利用時間といった「利用時間の把握」は重要です。ユーザーの可処分時間が有限だからです。限りある時間の中で、ユーザーにどれだけ自分たちのWebサイトやサービスを利用されているか、接点を設けられているかは、関係性の構築の面でも重要な要素です。

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オンラインの行動データは必要とされ続けるだろう。例えばUXリサーチの側面などでね

先日、アナリティクスアソシエーションの大内さんのコラムが私の心に響きました。

正しく退化していくデータ分析のススメ

「The Death of Cookie(クッキーの死)」によって、もうWebやオンラインの行動データは「補足」だろう、と。Web解析のデータやツール機能は信じてみるけれども、Cookieは徐々に死んでいるのでデータはその程度で、分析の「主」にはならないよね、という内容です。

確かに軸足は顧客データになるだろうし、私たちはもう標準で取得できるようなWeb解析のデータを盲目的に過信すべきではないのでしょう。ユーザー軸の分析に進めば進むほど、その流れはそうだと感じます。

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ダイレクトなトラフィックは、もうご指名流入ではなくダークトラフィックだ

「直接アクセス」「ノーリファラー」などとも呼ばれる「ダイレクトトラフィック」。昔から定義そのものは変わっておらず、「リファラー情報を取得できないサイト流入」を意味します。

ダイレクトトラフィックは、以前であれば「ご指名系の流入」「リピーター層」と捉える風潮もありました。「ブラウザーブックマーク経由流入」「URLの直接入力やオートコンプリートでの流入」が一定数含まれるためです。

しかし、もう近年はそのような「エンゲージメントがきっと高い流入」ばかりではなくなりました。リファラー情報を取得できないトラフィックは多様化し、当初からの定義のとおり「どこから来たのかが不明」なものが増加しています。やっかいなのは、どれだけの量と種類が増えたのかがわからないということです。

このような「リファラーが不明な流入」は、「ダークトラフィック」とも呼ばれます。ネガティブな意味はありません。これまで一方的に重要さを背負わせていた状態ではなくなった、と言えます。文字通り「どこからやってきたかわからない流入」です。

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アプリ併用のWebサイトでは、DAU/MAU比率を把握しても良いだろう

アプリとWebサイトを併用して運用している場合、ユーザーのアクティブ率やスティッキネス(粘着性)の把握のために、Webサイトでも「DAU/MAU比率」の指標を把握しても良いのかもしれません。アプリとWebサイトがユーザーにとって「類似の体験」として運用している場合に、です。

「Webサイトを運用していて途中からアプリの運用も始めた」場合、ユーザーの利用の一部はWebサイト中心からアプリ中心へと移行します。運営側は「Webとアプリの全体で成長しているか」を一つの基準にしますから、両者に共通する指標があると把握しやすくなります。アプリの分析ツールにセッションの概念がない場合、共通して状況把握できる指標が限られるというのもあります。

注釈:
DAU/MAU比率は、主にWebサービスやアプリなどにおいて日常的にどれぐらいの頻度で利用されているかというアクティブさ、粘着性(スティッキネス)を測る指標の一つです。DAU(デイリーアクティブユーザー数)をMAU(月間アクティブユーザー数)で割った比率で計算されます。
DAUは1日間にサービスを利用したユーザー数、MAUは30日間(もしくは28日間)に1回以上サービスを利用したユーザー数を表すを表す指標です。

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事前のデータ整備は軽視されがちである

Web解析の領域で、事前のデータ整備は軽視されがちです。「トラフィック量が大きくなると、こういうことが起きるだろう」という想定の元に、事前の設定や導入の見直しが検討されることはまずありません。

データ分析の領域では、データ統合の際などにデータの前処理としてETLが用いられますが、ローデータがあるからこそ後からでもデータ整備を行えます。

一方で、例えばGoogleアナリティクスのUIやAPIから扱えるデータは、ビジネスインテリジェンスとしてはいったん既に処理されたデータです。「混在したデータ、勝手に集約されたデータは、どうしようもない」ということになってしまいます。

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Webサイトの深掘りと改善視点の5つの分析アプローチ(セミナー資料)

過去に実施したセミナー資料の一つを公開しています。資料のテーマは、「深掘りと改善視点の分析アプローチ」、Webサイトの5つの分析アプローチの紹介です。初級者向けの基礎的な内容です。

2020年6月14日追記。この資料の内容を再編集し、動画学習サービス「Udemy」にて講座を公開しました。

Googleアナリティクスを使った深掘りと改善視点の分析アプローチ(アクセス解析の基礎) – Udemy

1時間少しの動画講座です。講座の動画のいくつかは無料でプレビューできます。

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