アクセス解析は、サイトの目的とゴールの再確認から
目的意識を持って数字を見る
基本の話をします。アクセス解析をする際には、そのサイトの目的とゴールを改めて確認しておくとよいです。ビジネスではそれがないことには始まらないはずなのですが。
アクセス解析は、導入すれば何もしなくても様々な結果を表示してくれるので、様々な事象がわかった気になります。しかし、出された結果をただ眺めるのと、目的意識を持って前のめりで数字を見るのとでは、大きな差があります。
- どういうことをした結果、そうなったのか
- その結果をふまえて、これから何をすればいいのか
何の意識も持たずにアクセス解析のレポートやダッシュボードを見ても、「どういうことをした結果そうなったのか」という視点で結果を見ることができません。それらはただのグラフや数字で終わってしまいます。「今月はページビュー数が多かった」「このキーワードでよく検索されている」などに終始し、因果関係や相関にあまり意識が向きません。
そして、「その結果をふまえてこれから何をすればいいのか」が、行き当たりばったりで大雑把なものになりがちです。あるいは、森を見ずに木の葉の色ばかりが気になってしまうかもしれません。
サイトの目的とゴールを、アクセス解析の内容と結びつける
アクセス解析のレポートを見て、「何を見たらいいの?」「で、どうしたらいいの?」となってしまうのは、サイトの目的やゴールとそのアクセス解析の内容が結びつけられていないからです。
- そのWebサイトの目的は何で
- ゴールは何で
- そのための戦略はこうで
- 戦術としてこれとこれとこれを実施して
- それぞれの戦術の目標値あるいはKPIはこれで
- それを効果測定するには、どういうツールのどの項目を見るのか
目的とゴールを確認し、進むべき方針(戦略)とやるべきこと(戦術)を決め、ではその結果や数字は何を見ればよいの?という段階で、やっとアクセス解析で見るべきポイントが見えてきます。
たとえば、日々のトレンドではこういう項目をチェックし、効果分析のときはここを見て、詳細をもっと深掘りしたいときはおそらくこのあたりを調べればよいだろうという推測が立てられたり、わかってきたりします。
戦術の改善ポイントを探っていく
話を単純化すると、
- サイトの目的は、資料請求数をより多く、より効果的に獲得すること
- ゴールは、○月までに月間100の資料請求数の獲得と、1件獲得にかかる費用を○○円に抑えること
- 戦略は、こういう属性ユーザーの流入の増加
- 戦術は、各種広告やPR、一方でコンテンツの充実やSEOの強化
- それの効果測定をするには、広告ごとのCPA、CV数やコンバージョンレートや直帰率、自然検索経由の流入数や平均PVや直帰率
- では、アクセス解析ツールや広告管理ツールや広告効果測定ツールで、まずそれらを押さえていきましょう
という流れ。もちろんこれだけではありませんが、ひとつの大きな流れとしてはこのようなものになります。視点としては、戦術の改善ポイントを探るという観点になります。
軸は、そのサイトの目的とゴール
軸となるのは、そのサイトの目的とゴールです。それが中心に座っていなければ、なかなか数字の意味をくみ取れず、戦術も右に行ったり左に行ったりしてしまいます。
そのサイトの目的やゴールを再確認してから改めてアクセス解析のレポートを見てみると、新たな発見があるはずです。
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2009年7月7日初出(マーケティングis.jp)
2011年3月1日加筆