改善やデータの評価の際、枝葉の数字の大小ではなく価値の総和を意識していたい
非常に細かな単位とスピードで改善のサイクルを回していると、枝葉の数字だけで判断しがちになってしまうことがあります。
「ユーザーのその場の反応」だけで判断していないか
テストパターンではこの表現がオリジナルよりもよい結果だった、ページのヒートマップでセグメントAの方がBよりも行動喚起要素が注目されているようだ、といったケースもその一種です。
当然ながらこのようなケースでも、他の要素を加味して判断していることでしょう。クリックや注目度だけでなく、コンバージョンやサイト回遊の状況も必ず見ます。
ただ、「ユーザーのその場の反応」のみで優劣が判断されてしまう危険性を感じることがあります。特に、ページ上のイベントアクション単位や、セッション単位で判断する場合です。「その瞬間の判断すぎないか」というものです。
ユーザーが実際にアクションを起こすまでに、検討期間を含めて日数を要する商材の場合はどうでしょう? ライフタイムバリューを意識しなければいけない商材の場合もどうでしょう?
刹那的な判断をせず、「ユーザーに何を期待していたのか」を意識したい
「そのときユーザーが期待していた行動を起こさなかった」というのは、ページ上の特定要素だけが影響を及ぼしているわけではありません。検討期間が必要だったり、家族への相談が必要だったりします。
逆に、その場のアクションを急かすことで、すぐにキャンセルされたり、その後のアップセルやクロスセルがうまくいかなかったり、満足度の低下に繋がります。
ページ上のイベントアクション単位やセッション単位での評価判断は、ときに「刹那的だな」と感じます。枝葉の数字の大小に振り回されている感を感じ始めたら、ときどきプロジェクトの目的に立ち返って「ユーザーに何を期待していたのか」「この判断は価値を最大化するか」を意識していたいです。
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このコラムは、2017年2月13日発行のニュースレター「真摯レター」のコラムを再編集したものです。ニュースレターの購読はこちらから。