ページ離脱率は評価改善指標として利用するに値するか

「ページの離脱率は、評価や改善のための指標として利用するに値するか」と質問をいただいたことがありました。

そのときの私の回答は「フォームのプロセスを除けば、離脱率よりも直帰率で判断した方が、ビジネスへの影響度が大きくまた優先度の高い課題の発見が多いだろう」というものでした。

いまでも概ね間違った回答ではないと思いつつ、「離脱率」の名誉のために、もう少し評価や改善の指標としての活用法を考えてみることにします。

フォームプロセスにおける離脱

まず、フォームの各プロセスにおいては、離脱率や離脱数は重要な指標の一つです。企業がユーザーに期待しているのはフォームプロセスの完遂ですから、想定や期待より離脱が多ければEFOとしてその穴を埋める対処が必要です。

フォームプロセスのページ単位の離脱だけでなく、フォーム項目単位での離脱、入力有無の把握、UIや項目数の変更、表現の見直し、フォーム項目の順序、ステップ数の見直しなど、「いかにプロセスからの離脱を減らすか、完遂を増やすか」の視点で臨む内容になります。

フォームプロセス
▲Googleアナリティクスの「目標到達プロセス」レポートの例

サイト内回遊閲覧の多いページにおける離脱

もう一つ、「サイト内回遊での閲覧が多いページ」においても、離脱率は重要な指標の一つになりえるでしょう。

そのページの閲覧開始数よりもサイト内回遊による閲覧が多く、かつ離脱率が高ければ、そのページがユーザー動線の行き止まりになっている可能性があります。そのページがビジネスの鍵を握るページの一つであれば、行動喚起要素(CTA)の見直しやユーザー動線の確保を検討しなければなりません。

ただし、そのようなページはサイトに多くないかもしれません。試しに当社のクライアント様の中で回遊状況の良いいくつかのサイトを見てみましたが、「一定量のページビュー数のあるページで、サイト内回遊による閲覧に依存し、かつ離脱率の高いページ」は、フォームプロセスのページを除けばほとんど見つけられませんでした。

「サイト内回遊による閲覧」に依存するページの一つに、カテゴリーのトップページや一覧ページなど「ハブ」の役割を担っているページがあります。そのようなページの多くは手が行き届いている、というのも理由でしょう。サイトの規模が大きくメンテナンスされていないページが多い場合は、うまく機能していないページがあるかもしれません。

そうなると、やはり「離脱率よりも直帰率で判断した方が、ビジネスへの影響度が大きくまた優先度の高い課題の発見が多いだろう」というのはいったん正解になりますが、上記のような方法はサイト全体における課題抽出手法の一つとしては有効です。やや「データありきで課題を見つける」という嫌いがありますが。

「サイト内回遊での閲覧が多く離脱率の高いページ」の抽出方法


▲Googleアナリティクスで作成したカスタムレポートの例。「ページの価値」指標も加えれば、より判断に有益だろう

今回「サイト内回遊での閲覧が多く、かつ離脱率の高いページ」を抽出するにあたり、独自に「回遊閲覧数」「回遊閲覧率」の指標を準備して調査しました。Googleアナリティクスでは「計算指標」の機能を使って作成できますし、エクセルやTableauでも同様のことはできます。

  • 回遊閲覧数 = ページビュー数 – 閲覧開始数
  • 回遊閲覧率 = 回遊閲覧数 ÷ ページビュー数

※説明上2つの指標を設けましたが、「回遊閲覧率」に関してはGoogleアナリティクスであれば「閲覧開始数/ページビュー数」という指標が代替指標として使えます。「100% – 回遊閲覧率」と同じ値です。

このような指標を準備した上で、例えば次のような目安を設けて見ていくと良いでしょう。

例:回遊閲覧数が多いページのうち、回遊閲覧率が70%以上あり、離脱率が50%以上

まずはビジネスへの影響度や優先度から「直帰率」軸で、網羅的な改善点把握の際に「離脱率」も

評価や改善の指標としての「離脱率」の名誉のために再考した内容ですので、とはいえやはり多くのケースで「直帰率で判断した方が、ビジネスへの影響度が大きくまた優先度の高い課題の発見が多い」はずです。

ユーザーは必ずどこかのページで離脱します。そして、Webサイト全体の直帰率が60%を超えるサイトが世の中の大半を占めます。それを踏まえれば、優先的に見るのは離脱率よりも直帰率でしょう。

網羅的に改善点を把握する際に「離脱率」は活用できると思います。


このコラムは、2018年8月30日発行のニュースレター「真摯レター」のコラムを再編集したものです。ニュースレターの購読はこちらから。

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