エンゲージメント時間は「ユーザーが自分たちのサービスに1日どれだけ時間を費やしてくれているのか」の把握の鍵を握るのか

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ユーザーの可処分時間は有限、「利用時間の把握」は重要

Webサイトやページでの滞在時間、アプリの利用時間といった「利用時間の把握」は重要です。ユーザーの可処分時間が有限だからです。限りある時間の中で、ユーザーにどれだけ自分たちのWebサイトやサービスを利用されているか、接点を設けられているかは、関係性の構築の面でも重要な要素です。

しかし、「サイト滞在時間」「ページ滞在時間」という指標は、一般的には精度の低い指標でした。従来のGoogleアナリティクス(ユニバーサルアナリティクス)をはじめ、一般的なWeb解析ツールは離脱ページや直帰ページでの滞在時間を取得できません。その時間ずっとページを利用している保証もありません。利用状況の分布もバラバラのため、平均値もブレやすいです。

「エンゲージメント時間」

そんな中、Firebaseや新バージョンのGoogleアナリティクス「アプリ+ウェブ」ではエンゲージメントを軸にした指標がいくつか設けられています。例えば「平均エンゲージメント時間」という指標も準備されています。

「アプリ+ウェブ」はその後「GA4」として正式リリースになりました

エンゲージメント時間

平均エンゲージメント時間:
アプリの場合はフォアグラウンド表示されていた時間の平均値、ウェブサイトの場合はブラウザ上でフォーカス状態にあった時間の平均値です。
Average engagement time:
The average length of time that the app was in the foreground, or the web site had focus in the browser.

GA4の「平均エンゲージメント時間」は従来のGoogleアナリティクスの指標「平均セッション時間」や「平均ページ滞在時間」とは異なる指標です。ページやスクリーン単位での「平均エンゲージメント時間」は従来の滞在時間を示す指標とは違った数値になっているケースが多く、「じゃあこれからはこっちで」とすんなりバトンタッチしにくいかもしれませんが、期待したいところです。

もちろん「時間の指標」として課題がすべて解決したわけではありませんが、「ユーザーが実際にページを利用していた、閲覧していた時間」としてより現実的で妥当な判断ができるようになっていると感じます。

  • 平均エンゲージメント時間:アプリの場合はフォアグランド表示されていた時間の平均値、ウェブサイトの場合はブラウザ上でフォーカス状態にあった時間の平均値。ユーザー エンゲージメントの合計時間/アクティブ ユーザー数
  • ユーザー エンゲージメント:Webサイトやアプリがユーザーの端末のフォアグラウンドに表示された時間の合計(秒数)

ユーザーが自分たちのサービスにどれだけの時間を費やしてくれているのか

「時間」。いま多くの企業や人が、ユーザーによる製品やサービスの利用だったりブランドのことを考えてくれるのに「どれだけの時間を費やしているのか」を意識して、顧客と向き合い、コミュニケーションしようとしています。

そこに取り組む際、鍵を握る一つの指標は「時間」です。例えば「1日に平均どれぐらいユーザーにエンゲージメント時間を費やしていただいているのか」という視点。顧客の心をどれだけつかんでいるのかを理解したければ、「時間」は重要なヒントの一つになります。意識していたいです。

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