「広く知ってもらうのではなく、しかるべき人に確実に届けること」の難しさよ

特にBtoCやメディアの領域において、「フォロワーよりファンを、ユニークユーザー数より固定客を」の流れが近年あります。リーチを広げてやみくもに多くの新しいフォロワーを獲得するよりも、カルチャーを理解してくれたり熱心に声を聞いてくれるファンを作る方に力を注ぐ方が、多様性のあるいまの時代には合っていたり、コスト的にも見合いやすいのでは、といった理由も挙げられます。それぞれの規模での「知る人ぞ知る」状態を維持するという感じかもしれません。

もっともだと思います。もっともだと思いつつ、既存顧客のファン化の取り組みは進められても、「しかるべき人に確実に届けること」はあらためて非常に難しいことだなと感じます。

適切な媒体などがあれば、そこへの露出で一定のアプローチは見込めます。ただし、都合良く自分たちにピッタリの媒体が存在していることは少ないです。少し間口の広い媒体にターゲティングを施してアプローチするというのが現実的な着地点で、まず挙げられる選択肢の一つかと思います。

リファラルマーケティングも選択肢の一つです。ファンをはじめとした既存の顧客に、新たなファンを紹介してくれるようなキャンペーンを設計するものです。口コミをコントロールできない難しさもあり、加えてステルスマーケティング的なアプローチは御法度かつ「やらせ」的なニュアンスも帯びてはいけないなど、キャンペーン設計も容易ではありません。

ただし、趣味嗜好の近い方々に紹介してくれることは、貴重なルートです。「ファンがファンを呼ぶ」というように、コストを大きくかけなくてもできる場合もあり、取り組む価値のあるものだと思います。

と偉そうなことを述べつつ、「広く知ってもらうのではなく、しかるべき人に確実に届けること」は難しいのです。

当社は4月で8期目に入りました。これまでのクライアント様に感謝します。一方で「しかるべき人に確実に届けること」はまだまだできていません。昨年は特にそのようなアプローチをおろそかにしていたという反省もあります。小さな事業体ですので「広く知ってもらう」ほどの予算も持ち合わせていません。よくある中小企業の課題そのままです。

もう少し今年一年、「しかるべき人に確実に届けること」へのチャレンジをしてみます。新しい元号も決まったことですし、こころもちフレッシュな気分で新たな年度を歩みたく思います。

このコラムは、2019年4月3日発行のニュースレター「真摯レター」のコラムを再編集したものです。ニュースレターの購読はこちらから。

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