コンテンツマーケティングのエンゲージメント獲得で意識すべきは「関係性の分岐点」

コンテンツマーケティングでのエンゲージメント獲得では「関係性の分岐点」を意識すると良いです。そのコンテンツ単体へのアクションを期待するだけでなく、どうすれば関係性のないユーザーに対して「次のメッセージ」を届けられるかを意識すれば、オーディエンスビルディングにつなげられます。一方で、短絡的な目先の獲得ではなく段階的に受け入れてもらう設計も必要です。

ここではエンゲージメント獲得について話をしていきます。

目次

まだ関係性のないユーザーにどうすれば「次のメッセージ」を届けられるか

コンテンツを起点としてユーザーに対してエンゲージメント獲得を図るとき、コンテンツ単体へのアクションを中心に設計されることがあります。「いいね」やgoodボタンなどの評価、ソーシャルメディアへのシェア、どれだけの時間を費やしてくれたか(滞在時間、再生時間)、最後まで楽しんでもらえたか(視聴維持、読了)、関連コンテンツ遷移などです。

もちろんBtoBでよく見られるように、そのコンテンツをきっかけに資料ダウンロードやニュースレター登録などのコンバージョンに至ったかどうかが重視されることもあります。分野によってはコンバージョン獲得を評価として扱うには難しい場合があるかもしれません。

エンゲージメントは「ユーザーの関与」です。関与にはレベルがあります。単なる「知ってもらえた、表示してくれた」をエンゲージメントとして扱うかは各々で判断すれば良いと思いますが、そのような「認知、閲覧、利用」から「理解」「反応」、「関係性を持つ」から「コンバージョン」「推薦」に至るまで、エンゲージメントにはさまざまなレベルがあります。

それらのレベルは「関係性の分岐点」で大きく分かれることを理解しておきたいです。単なるコンテンツに対するエンゲージメントと、関係性を持つエンゲージメントです。

エンゲージメントのさまざまなレベルの例。獲得の設計の際には「関係性の分岐点」を意識したい
エンゲージメントのさまざまなレベルの例。獲得の設計の際には「関係性の分岐点」を意識したい

エンゲージメント獲得の設計の際、関係性の分岐点を超えないものばかりで構成していないか、評価しようとしていないかに注意する必要があります。そのコンテンツ単体への反応だけでなく、その後の接点やコミュニケーションの要素を含めるべきです。

意識したいのは、まだ関係性のできていないユーザーにどうすれば「次のメッセージ」を届けられるか、です。

コンテンツマーケティングは「コンテンツを使ったマーケティング活動」です。多くの場合、コンテンツ利用で満足してもらうことが目的ではないはずです。

以前の記事「コンテンツマーケティングで重要なのは、PVよりも再アプローチ可能なユーザーとの関係性構築」で伝えたかったメッセージの一つは、ページビューは単なる「認知、閲覧、利用」の評価にすぎないということでした。インプレッションやリーチ、動画の再生数も同様です。それらは「ユーザーの関与」としては序盤のものにすぎない、もしくは関与ですらないかもしれないものです。

私たちはコンテンツマーケティングにおいてオーディエンスビルディングを意識しなければいけません。エンゲージメント獲得はそのきっかけの要素です。

「短絡的な目先の獲得」ではなく「段階的に受け入れてもらう」設計が必要

エンゲージメントを獲得するには、アクション誘発の準備を整える必要があります。「次のアクションとして何を期待するか」を踏まえて、以下の点に留意してコンテンツの近辺に要素を設けます。

  • どの要素を置くか
  • どれを優先するか
  • どんな表現にするか
  • どの位置に置くか
  • 視線誘導を意識

コンテンツや業種によっては他にもあるかもしれません。アクションの数や種類が多すぎるとユーザーが決定に時間を要し、アクション回避や分散につながります。

キャンペーン向けランディングページの設計に関わった人であれば、行動喚起要素「CTA (call to action)」をどのような視点で設けるかをご存じかと思います。その視点と類似し、一定のセオリーのようなものはあります。

コンテンツマーケティングにおいては、「短絡的な目先の獲得」ではなく「段階的に受け入れてもらう」設計が必要です。

次のアクションに何を期待するか。短絡的な目先の獲得ではなく「段階的に受け入れてもらう」設計が必要
次のアクションに何を期待するか。短絡的な目先の獲得ではなく「段階的に受け入れてもらう」設計が必要

多くのケースで、CTAには一番優先する要素を置きます。コンテンツの利用直後に「ユーザーに一番期待する次のアクション」です。それは「お問い合わせ」かもしれませんし、「ニュースレターを購読」「関連資料ダウンロード」によるメールアドレスのお預かりかもしれませんし、「関連サービスへの誘導」かもしれません。

コンテンツ群のテンプレートで一律で共通のCTAを指定するのは負荷の低い対応ですが、コンテンツによって期待するアクションは変わるはずです。コンテンツに反応したユーザーの「体温の違い」もあります。短絡的に「お問い合わせを!メールアドレスを!」と求めるのではなく、段階的に受け入れてもらうメッセージが必要です。

それはエンゲージメント獲得の設計というよりも、長いカスタマージャーニーに対するコンテンツ設計の一環でもあります。コンテンツマーケティングの分析や評価、KPI設計にも関わります。

優先したいのはオーディエンスビルディングです。

エンゲージメント獲得は「信頼」と引き換えである

短絡的に「お問い合わせを!メールアドレスを!」と求めても、ユーザーはアクションを起こしません。特に「関係性」「交流」に関するエンゲージメント、メールアドレスの登録やソーシャルメディアアカウントのフォローなどは、程度の差こそあれ一定の信頼を必要とします。

エンゲージメント獲得は「信頼」と引き換えである
エンゲージメント獲得は「信頼」と引き換えである

コンテンツ単体へのエンゲージメントではそこまでの信頼を必要としないかもしれません。しかし、シェアやリツイートなどユーザー自身の表現にも関わるエンゲージメントであれば無視できません。

コンテンツがアピールする有益さ、おもしろさ、驚きやメッセージなどは、一定の信頼感を醸し出さなければいけません。

まとめ

  • エンゲージメント獲得では「関係性の分岐点」を意識する
  • 次のアクションに何を期待するか。「段階的に受け入れてもらう」設計が必要
  • エンゲージメント獲得は「信頼」と引き換えである

この記事は、コンテンツマーケティングの4つの戦略軸「オーディエンスビルディング」「コンテンツ」「ディストリビューション」「エンゲージメント獲得」のうち、主に「エンゲージメント獲得」の領域を展開しています。

コンテンツマーケティングの4つの戦略軸
コンテンツマーケティングの4つの戦略軸

この記事は、当社の資料『コンテンツマーケティングの戦略設計 – 取り組むべきはオーディエンスビルディング』の内容の1トピックスを記事化したものです。

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株式会社真摯 代表取締役。データの根拠とマーケティング視点を軸に企業のWebビジネスの改善を支援しています。プロフィール詳細

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