コンテンツマーケティングはコンバージョンに責任を持つべきか

コンテンツマーケティングのKPIに何を設けるかというテーマを取り上げるとき、コンバージョン周辺の指標が挙がることがあります。コンテンツマーケティングはコンバージョンに責任を持つべきでしょうか?

獲得したオーディエンスが将来にコンバージョンに貢献する必要がある

コンテンツマーケティングの一環で作成したコンテンツは、必ずしもコンバージョンに「直結」しなくて構わないと考えます。

ここでのコンバージョンは「お問い合わせ」「購入」「資料請求」などにしておきましょう。そのようなコンバージョン獲得の役割は、例えばキャンペーン向けLPが担うべきものです。コンテンツマーケティングで準備したコンテンツではユーザーに次のアクションを促して関係性を温めるべきですが、アクションはコンバージョン獲得である必要はありません。

コンテンツマーケティングで意識すべきは「オーディエンスの獲得と関係性構築」です。ですのでユーザーに促すアクションはそれに関するものが中心でよいと思います。

一方で、コンテンツマーケティングで獲得したオーディエンスは将来コンバージョンや売上に貢献する必要があります。「構築したオーディエンスのコンバージョン貢献には責任を持つべき」と言うべきでしょうか。

ユーザーが企業との一定の接点を持ち始めてからコンバージョンに至るまで、それが1カ月か1年なのかは商材やユーザーの気まぐれで変わりますが、適切なコミュニケーションを取っているにもかかわらずほとんどコンバージョンに至らないのであれば、誤ったオーディエンスビルディングだったということになります。

GA4の「オーディエンス」機能の活用

例えばGoogleアナリティクス(GA4)には特定条件のユーザーをグルーピングして把握できる、その名も「オーディエンス」という機能があります。設定によってユーザーのライフステージの把握や「どれだけ関係性のあるユーザーを作れたか」の把握に役立ちます。

とても有益な機能にもかかわらず、あまり活用されていない印象です。導入時に設定するよりも、普段の運用の中での気付きを元に設定するタイプの機能だからかもしれません。


▲Googleアナリティクス(GA4)のオーディエンスの新規作成画面。カスタムオーディエンスでは柔軟な設定ができる

コンテンツの閲覧履歴を軸にしたオーディエンスを準備すれば、そのオーディエンスがその後どれだけコンバージョンに至っているかの把握に役立ちます。


▲コンテンツの閲覧履歴を軸にしたオーディエンスの状況把握の例(GA4標準レポートのカスタマイズ)

コンテンツの種類やユーザーのライフステージで異なる

そもそもコンテンツにはさまざまな種類があります。コンバージョン獲得を期待できるものもあれば、認知獲得を目的としたコンテンツもあり、既に関係性のあるオーディエンスに向けて共感獲得を期待するコンテンツもあります。どのコンテンツもコンバージョンへの距離が同じではありません。

例えば「Hero/Hub/Help」というコンテンツの分類があります。それぞれに目的と対象者が異なり、期待するアクションも違います。


▲対象者と期待アクションを元にコンテンツを分類すれば、それぞれに適した評価指標を定められる。「コンテンツマーケティングの分析にHero/Hub/Helpの分類を用いる」を参照

加えて、ユーザーのライフステージによってもコンバージョンへの距離が変わります。

ライフステージが進んでファネルの下の方になるほどコンバージョンに至りやすくなりますが(ボトムオブファネル)、トップオブファネルであればコンバージョンになかなか至りません。一律で「コンテンツはコンバージョンに対して責任を持ちなさい」とはなりません。

コンテンツマーケティングが向き合うべきはオーディエンスの獲得と関係性構築、「オーディエンスビルディング」です。コンテンツの内容やCTAの設計、評価などでそれを意識すれば、軸はぶれないはずです。

まとめ

  • コンテンツマーケティングで獲得したオーディエンスは将来コンバージョンや売上に貢献する必要がある
  • コンテンツの種類やユーザーのライフステージで異なる

この記事は、当社の資料『コンテンツマーケティングの戦略設計 – 取り組むべきはオーディエンスビルディング』の内容の1トピックスを記事化したものです。


このコラムは、2023年9月27日発行のニュースレター「真摯レター」のコラムを再編集したものです。ニュースレターの購読はこちらから。