2023年は「単一ツールのトラッキングの限界」を大前提として向き合わなければいけない

単一ツールのトラッキングの限界

2023年はよりいっそう「単一ツールのトラッキングの限界」を大前提として意識しないといけないと捉えています。Cookieの制限や限界、トラッキング拒否、7月のGA4への完全移行(ユニバーサルアナリティクス版の計測停止)、プラットフォームやチャネルの多様化といった要素が並び、そろそろ全面的に考え方を更新しないといけません。

ユーザー行動の完全な計測はもう期待してはいけません。数値のズレはよくあることで問い詰めても何も出てきません。

一つのプラットフォームやチャネルで異なる複数のツールが利用できればラッキー。積極的に違う分析視点や手段を持っていたいところです。

去年ぐらいから意識をしていましたが、より「オーディエンス」「アクション」へのフォーカスを強めるのが良いのでは、と感じています。コンバージョン軸ではなく、と言うと言いすぎかもしれません。ビジネスである以上コンバージョンは変わらず重要な地点ですが、施策や分析視点をコンバージョン軸に置き続けるのは厳しい、という感じです。

目次

オーディエンスとアクション

粗いですが要点を整理してみました。

オーディエンスの構築
  • 定期的にあなたのコンテンツを利用している人
  • 全ユーザーというわけではない
  • 数種類あり、リードではないオーディエンスもある
  • 再アプローチできるか
  • アクティブか、フレッシュか
  • 信頼を得ているか、関係性を構築しているか
  • 購読接点の運用がセット。ブログ、メールやニュースレター、ソーシャルメディア、アプリ、動画や音声メディアなど
アクションの提案
  • コンテンツはオーディエンスにとって有意義か
  • ネクストアクションは準備できているか
  • コンバージョンにフォーカスしすぎない。フォーカスするものもある
  • ステップを踏んでリード化、顧客化、関係性構築を図る

オーディエンスには、例えば認知フェーズのオーディエンス、情報収集や課題解決の段階で関係性を持ったオーディエンス、既に一定の関係性があるオーディエンスといったいくつかの種類が考えられるでしょう。

  • 認知フェーズのオーディエンス
  • 情報収集や課題解決の段階で関係性を持ったオーディエンス
  • 既に一定の関係性があるオーディエンス

オーディエンスはWebサイト以外にもいます。メルマガやニュースレターの購読者、TwitterやInstagramやYouTubeのフォロワーや登録者、自前のアプリにもいます。いやでも正直なところ、自社のWebサイトとアプリとMAで管理できるものを除けば、特定オーディエンスの抽出は難しいかもしれませんが。

オーディエンスに期待するアクションもさまざまです。コンバージョンも重要なアクションですが、体験が有意義だったかどうかを測るアクション、リンククリック、ソーシャルメディアへのシェア、ニュースレター購読やアプリダウンロードやアカウントフォローといった関係性作りのものもあります。

プラットフォームやチャネルのそれぞれで「オーディエンスはどうか」「アクションはどうか」を把握する(のは現実的か?)

すべての施策や分析で、このような複数要素×複数要素の組み合わせを考慮しなければいけないわけではありません。キャンペーン向けランディングページのようにいますぐコンバージョンを促すものであれば、オーディエンスもアクションもコンバージョン獲得に向けた視点になるでしょう。

一方で、カスタマージャーニーは複雑で長くなりました。それぞれのプラットフォーム、チャネルで何らかの計測ツールを利用できることは多いですが、計測されないユーザーや行動は増え、計測された行動は途切れ、個人の突合は雲の中です。プラットフォームが異なればなおさらです。

ですので、プラットフォームやチャネルのそれぞれで「オーディエンスはどうか」「アクションはどうか」を可能なレベルで把握し、総合的に判断するという舵取りが求められます。

なかなか大変です。ノンプロフェッショナルにはそろそろむずかしい内容です。そこでAIにヒントや手掛かりを求めるようになるのがすぐに来る未来でしょうか。

そんな2023年1月の所感です。今年もどうぞよろしくお願いいたします。

このコラムは、2023年1月12日発行のニュースレター「真摯レター」のコラムを再編集したものです。ニュースレターの購読はこちらから。

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