アプリ併用のWebサイトではDAU/MAU比率を把握しても良いだろう

アプリとWebサイトを併用して運用している場合、ユーザーのアクティブ率やスティッキネス(粘着性)の把握のために、Webサイトでも「DAU/MAU比率」の指標を把握しても良いと感じます。アプリとWebサイトがユーザーにとって「類似の体験」として運用している場合に、です。

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スティッキネスの計測としてのDAU/MAU比率

「Webサイトを運用していて途中からアプリの運用も始めた」場合、ユーザーの利用の一部はWebサイト中心からアプリ中心へと移行します。運営側は「Webとアプリの全体で成長しているか」を一つの基準にしますから、両者に共通する指標があると把握しやすくなります。アプリの分析ツールにセッションの概念がない場合、共通して状況把握できる指標が限られるというのもあります。

例えば「アクティブ率」という指標は名称もフワッとしていて定義を明確にしなければいけません。Webサイトでも使用する前提であればアプリダウンロード数ベースでは使えません。

DAUをMAUで割った指標「DAU/MAU比率」が妥当でしょう。ユーザーがどれだけの頻度で利用しているか、惹きつけられているかというスティッキネス(粘着性)を把握できます。そう、エンゲージメントではなく、スティッキネスです。

DAU/MAU比率は、主にWebサービスやアプリなどにおいて日常的にどれぐらいの頻度で利用されているかというアクティブさ、スティッキネス(粘着性)を測る指標の一つです。DAU(デイリーアクティブユーザー数)をMAU(月間アクティブユーザー数)で割った比率で計算します。DAUは1日間にサービスを利用したユーザー数、MAUは30日間(もしくは28日間)に1回以上サービスを利用したユーザー数を表す指標です。

DAUやMAUは、特にLINE経由やInstagram経由のWebサイト流入の把握で活用できる指標

もちろん、いろんな前提が必要です。

本来DAUやMAUという指標は、デバイスや端末が異なっても重複カウントしないことを求められます。会員制ではない(ログインしない)Webサイトではあまり適切な指標ではありません。

とはいえ、たとえCookie単位であれ、ユーザー軸で「どれぐらいの頻度での利用か」の推移はプロジェクトの成長を測る指標として有益です。その前提でDAUやMAUの指標を使用している共通認識があれば、悪くない視点です。

またWebサイト全体として「DAU/MAU比率」を把握するのではなく、特定のチャネル経由、スティッキネスの強い流入に絞ってその指標を追うというのはどうでしょうか。

例えば、LINE経由の流入はほとんどが「単一の端末やブラウザー経由の流入」と推測できます。Instagram経由の流入も同様でしょう。

  • 自発的に/通知をきっかけにアプリを起動する
  • LINEの通知をきっかけにWebサイトに訪問する
  • Instagramの投稿やストーリーズからWebサイトに訪問する

これらは非常に類似した行動です。前提としての技術的な背景も近いです。LINEやInstagramはPCでの利用が非常に少ないため、Webサイトへの訪問はほぼ単一の端末で行われています。DAUやWAU、MAUといった指標に加えてDAU/MAU比率の推移を把握し、チャネル間で比較して良いトラフィックです。

メルマガ経由の流入はどうでしょうか。もしモバイル中心の利用状況であれば、同様にDAUやMAUなどを用いて良いでしょう。

「DAU/MAU比率」の指標に関しても、「うちのWebサイトは毎日の利用ではなく、週数回程度の利用を想定している」というのであれば、WAUベースの「WAU/MAU比率」でも良いでしょう。

Webサイトへの訪問を厳密にCookieベースで考えればSafariにおけるITPの影響を考慮せざるを得ませんが、ここでは横に置きます。それはWeb解析全体の課題です。

GoogleアナリティクスではDAUやMAUの指標が利用可能

Googleアナリティクス(ユニバーサルアナリティクス)では、「1日のアクティブユーザー数」「7日のアクティブユーザー数」「28日間のアクティブユーザー数」の指標が通常で利用できます。APIであれば「30 Day Active Users(30日間のアクティブユーザー数)」も利用できます。非会員制のWebサイトであればこれらは実質「ユーザー数」と同じですが、これらの指標を組み合わせてアプリ側の指標とそろえる形で「DAU/MAU」「WAU/MAU」の推移の把握が可能です。

追記。GA4では探索レポートにて「DAU/MAU」「WAU/MAU」といった指標を利用可能です。

特に、LINE経由やInstagram経由といったスティッキネスの強い流入に絞って把握すれば、アプリの利用状況と比較できます。

アプリとWebサイトは異なるプラットフォームであり、扱いに注意は必要ですが、全体の概要把握には役立つはずです。

このコラムは、2019年12月12日発行のニュースレター「真摯レター」のコラムを再編集したものです。ニュースレターの購読はこちらから。

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株式会社真摯 代表取締役。データの根拠とマーケティング視点を軸に企業のWebビジネスの改善を支援しています。プロフィール詳細

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