「空・雨・傘」とリンクする「データ→インフォメーション→インテリジェンス」の流れ
「空・雨・傘」という考え方を知ったのは数年前のことでした。どなたかがブログ記事で紹介しているのを読んで、なるほどシンプルで説明しやすい内容だなと感じました。
「空・雨・傘」は問題解決と意志決定のためのフレームワーク
「空・雨・傘」は、問題解決と意志決定のためのシンプルな考え方です。「空が曇っている(事実)、雨が降りそうだ(解釈)、傘を持っていこう(判断)」というもの。意志決定に至るプロセスを分解して、シンプルにロジカル思考を進められます。マッキンゼーなどで用いられているフレームワークだそう。
空 | 空が曇っている | 事実、状況。データを客観的に正しく収集し、事実を認識する段階 |
雨 | 雨が降りそうだ | 解釈、見解。事実を把握した上での分析や解釈、評価、その状況への意味づけ |
傘 | 傘を持っていこう | 結果、判断、提案。解釈した上での結果、取るべき行動 |
数年前に読んだその記事を検索して探したのですが見つけられず、残念ながらその記事を紹介できないのですが。
英語では、「空・雨・傘」は「Situation, Observation, Implication」だそうです(未確認)。
「データ」と「インフォメーション」と「インテリジェンス」の違い
その「空・雨・傘」の中で、「データ→インフォメーション→インテリジェンス」の流れがリンクしていると思うのです。
ここで少し「データ」と「インフォメーション」と「インテリジェンス」の違いについて説明しておきます。どれも日本語では「情報」と訳されるかもしれません。しかし意味合いが異なります。
- データ
-
収集できるあらゆる情報のこと
- インフォメーション
-
データからピックアップされた「意味のある情報」のこと。体系立てて整理されていることが多い
- インテリジェンス
-
インフォメーションからピックアップされ、分析や解釈を施された情報のこと
あるときふと、「空(事実)から雨(解釈)、傘(判断)の課程には、データ→インフォメーション→インテリジェンスの流れを含んでいるよね?」と気付きました。
- まずは事実(データ)を集めなさい
- それを要約しなさい(インフォメーション)
- 解釈して対象者に適切に伝えなさい(インテリジェンス)
事実の収集から、解釈、アクションへ
- 事実は、多くかつ多様なものを集めること。限定的なデータで満足せず、複数の側面で状況を把握できるように。
- それらを整理して、要旨にまとめること。箇条書きで3~7つ程度にまとめるのも良い。
- あなたはそれらに対してどう評価しているのか、どのような見解を持っているのか。
- あなたの解釈といまの状況を鑑みて、どのようなことが起きるのか、どのようなアクションを取ればよいのか。
どうも「空から雨」には「インフォメーション」がまたがり、「雨から傘」には「インテリジェンス」がまたがりそうです。
例えば、新しいメンバーや若いメンバーに「分析+改善」のトレーニングをしていくとき、経験を積ませる一つの手法としてこれを取り入れられないか、と考えています。プロジェクトの初期の取り組みとしては有効だと感じます。
この記事は、アナリティクスアソシエーションの記事「『空・雨・傘』と『データとインフォメーションとインテリジェンスの違い』」の続き、別視点のものとして書きました。
「空・雨・傘」の図解は、クラスメソッド社のDevelopers.IOの記事をベースにアレンジしています。その記事では既に「空・雨・傘」から卒業されているようなのですが。