「2022年6月までにGA4導入を終える」ではなく「1年間かけてGA4の基盤を整備し馴らしていく」ではないか

1年間かけてGA4の基盤を整備し馴らしていく

一部界隈にて「2022年6月末までにGA4の導入設定を終える」というのが一つのトレンドなのですが、いまから来年の2023年6月末まで「1年間かけてGA4の基盤を整えていく、馴らしていく」という視点の方が健康的で良いのではないか、とも感じています。

え? この6月中旬のタイミングで何そんなこと言っているんですかという感じですね。すいません。いま切るカードではないのですが、薄々感じてはいました。

もちろん、主要なイベントやコンバージョンは早めに設定を済ませた方が良いです。一方で、常にビジネスの運用に伴って柔軟に設定を調整していくべきです。

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この先、GA4の機能追加や新たな仕様の提示はあるだろう

これからユニバーサルアナリティクス版の計測が停止する2023年7月1日までの1年間に、GA4に何かしらの機能の追加はあると思っています。仕様として謎だったり不可解だったりする内容に対しても、追加で新たな仕様の提示もきっとあるでしょう。大抵それらは少し困ることになるのですが。

当然、2021年7月以降も機能は追加され、仕様は更新されます。2005年に登場したGoogleアナリティクスは何度もバージョンアップを繰り返し(urchin.js、ga.js、analytics.js、gtag.js)、何度もUIを刷新し、多くの機能を追加してきました。2022年6月現在の仕様が将来に渡って普遍かつ不変のものではありません。「いま不自由に感じること」に対する解決策がこの先提示されるかもしれません。

急いで導入をした後で、「新たに提示された仕様に沿った方が良かった」「新しい機能を利用した方が良かった」というケースは往々にしてあります。導入した側が本当に残念にそう思っているので、意図的なものではないことをご理解ください。積年の計測の内容を、サナギから出てきたばかりのツールに対してたった1~2カ月で詰め込むのは無理というものです。ツールの成熟に沿ってお付き合いしていく方が良好な関係性を築けるのではないでしょうか。GA4は隠し持っている仕様がたくさんありそうですし(早く開示してくれてもいいのですよ)。

コンバージョンや主要なイベントは早めに計測しておくにこしたことはありません。それらは今年6月中に対応できればよいですね。よりアドバンスな計測は「試す→様子を見る→展開する」を繰り返して少しずつ全体を調整していく、というのも一つの安全な進め方です。オーディエンス機能のように、日々のビジネスの運用でトライ&エラーを繰り返すようなものもあるはずです。

ここからの変化に柔軟に対応できる余裕を持つこと

大事なのは、ここから様々な変化があるだろう中で、その変化に柔軟に対応できる余裕を持つこと。現時点で決めた設定に固執しすぎないこと。これから登場する仕様の方をスマートに感じたなら、それを選択できる自由を確保すること。

これからの拡張も期待されるフェーズのツールです。新たな拡張にいかに柔軟に対応できるか、その柔軟性や工数、予算をある程度確保しておくと良いと思います。

ビジネスに不可欠なツールであるならば、できるだけ良い状況で利用できるようにしたいですね。

このコラムは、2022年6月13日発行のニュースレター「真摯レター」のコラムを再編集したものです。ニュースレターの購読はこちらから。

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