誰がサイトを利用しているのか―サイト分析に必須のユーザー属性を把握しよう

「どういう人がサイトを利用しているのか」の把握はとても重要です。想定しているユーザーが期待している行動を取っているかどうか、ユーザーグループのAとBでどのような行動の差があるのかを把握できれば、そこから改善につなげられます。

では、その「ユーザー像」「ユーザー属性」にはどのようなものがあるでしょうか。

その切り口を多く持っているほど、ユーザーにより多様な色を付けられます。例えば「新規リピーター別」「デバイス別」の切り口があれば、単なるそれらの分類のみならず、「新規リピーター別×デバイス別」の掛け合わせでも把握できるようになります。つまり、複数の視点が多いほど、より多様な組み合わせで把握や分析が行えます。

ここでは、そのような「ユーザー像」「ユーザー属性」にどのようなものがあるかを、Googleアナリティクスを例に挙げていくことにします。

1. 新規リピーター別

「新規リピーター別」は、初回訪問のユーザーなのか、再訪問のユーザーなのかを区別するのに便利です。Googleアナリティクスは、Cookieに過去2年間で訪問履歴がなければ「新規ユーザー(New Visitor)」として判断され、2回目以降の再訪問は「リピーター(Returning Visitor)」として扱います。レポートとしては「新規とリピーター」で確認できます([ユーザー>行動])。

アプリ内ブラウザーの増加に伴い、「同じ人」のサイト利用でも新しいCookieのために「新規ユーザー」として判断されるケースが増えましたが、目安として「新規ユーザーは増えているか」の把握などは、重要な要素です。


▲内訳をグラフに表示させれば、トラフィックの変化の要因が判断しやすくなる

2. デバイス別

「デバイス別」は、スマートフォンユーザーなのか、PCユーザーなのかを区別します。Googleアナリティクスは、スマートフォン端末の「mobile」、PCの「desktop」、タブレット端末の「tablet」の3つに区分します(デバイスカテゴリ)。レポートとしては「モバイルサマリー」などで確認できます([ユーザー>モバイル])。

3. 性別、年齢別

「性別」「年齢別」は、いわゆるデモグラフィック属性の分類の一つです。Googleアナリティクスでは、DoubleClick Cookieのデータなどから推測データとして利用できます(属性不明もあるため、すべてをカバーしません)。レポートとしては「年齢」「性別」などで確認できます([ユーザー>ユーザーの分布])。


▲この「性別」「年齢別」は推測データであることに注意

性別と年齢の組み合わせも重要な視点です。セカンダリディメンションなどを使って組み合わてクロス集計すると良いでしょう。


▲「性別」にセカンダリディメンション「年齢」を組み合わせた例

4. 顧客層別

「顧客層別」と表現しましたが、「通算訪問回数」を軸にして「顧客グレード別」のように分類するものです。「新規層」「初期層」「安定層」「常連層」といった具合です。もちろん名称も定義も自由に決めて構いません。下記はあくまで一例です。

  • 新規層:新規ユーザー
  • 初期層:通算2回目から4回目となる訪問
  • 安定層:通算5回目から9回目となる訪問
  • 常連層:通算10回目以上となる訪問

「常連層は安定して増加しているか、サイトのどれぐらいを占めているか」「一方で、新規層の獲得状況は」「各層のサイト利用状況は」といった把握ができます。

実際には「ユーザーレベル」ではなく「セッションレベル」での分類ですが、サイト利用者の理解には非常に役に立ちます。


▲ディメンション「セッション数」を元に4つの顧客層に分類した例

「通算訪問回数」を表すディメンション「セッション数」は、レポートとしては「リピートの回数や間隔」の「セッション数」の方で確認できます([ユーザー>行動])。


▲レポート「リピートの回数や間隔」の「セッション数」は「通算訪問回数」を表す

5. 言語別、地域別

日本向けのサイトであればあまり関係ありませんが、グローバルに展開しているサイトであれば、どの国や地域のユーザーにどのように利用されているかを把握する必要があります。英語圏のサイトであれば、北米各国やヨーロッパ各国、アジア各国で利用の差があるかを理解しなければなりません。

レポートとしては「地域」「言語」で確認できます([ユーザー>地域])。


▲国ごとの行動状況を比較できる

日本向けサイトでも都道府県別でレポートに表示できますが、特にスマートフォンは携帯電話の通信回線を利用していれば地域情報は正しくないことがあり、都道府県別の利用には適していません。

6. 会員/非会員別

会員制のサイトであれば、サイトのログインステータスを元に「会員かゲストか」を区別できます。Googleアナリティクスのカスタムディメンションを利用して、ログイン時に会員であることを示すラベルをユーザレベルで付与すれば、「会員/非会員別」をGoogleアナリティクスでの分析時のユーザー属性に加えられます。


▲例えばセカンダリディメンションで掛け合わせて「会員ユーザー」だけの行動を把握できる

同様に、セッションレベルで「ログイン/非ログイン別」の区別もできます。

7. 会員種別、プラン別

会員制のサイトによっては、「一般会員」「プレミアム会員」というように複数の会員種別やプランを設けています。「会員/非会員別」と同じ発想で、「会員種別」「プラン別」の区別もできます。Googleアナリティクスのカスタムディメンションを利用して、会員登録時や「マイページ」閲覧時に「会員種別」「プラン」をユーザーレベルで付与すれば、これらを分析の際のユーザー属性に加えられます。


▲サイトで会員種別を出力すれば、その値を取り込める(画像は一例)

※Googleアナリティクスでは、個人を特定できる値の取得は禁止されていることに注意

8. 資料ダウンロード時期別、会員登録時期別

資料ダウンロードや会員登録などは、その後のサイト利用や顧客化行動が大きく期待できるアクションです。「資料ダウンロードの有無」「会員登録」といった属性に加えて、その「日付」も同時に取得しておけば、「資料ダウンロード時期別」「会員登録時期別」のコホート分析などが可能になります。

Googleアナリティクスのカスタムディメンションを利用して、「重要なアクションをした日付」をユーザーレベルで付与します。

  • 2016年○月の会員登録ユーザーの3か月後のサイト利用率が10%なので、これを基準に「3か月後のサイト利用率」を改善する
  • 2016年○月の資料DLユーザーの1か月後のメールへの反応率は、キャンペーン展開で多く集客した2015年△月の資料DLユーザーの反応率よりも良いので、云々

上記のような利用ができます。


▲セグメントを利用して、特定時期別アクションのグループを作り、把握や比較ができる

9. 訪問動機別

ユーザー属性とは少し異なりますが、「どういう動機や意図でサイトに訪問してきたのか」で分類するものです。「どこからやってきたのか(チャネルや参照元)」「どのページを起点としたのか(ランディングページ)」など、またそれらの組み合わせで分類します。

ご指名での訪問なのか、商品購入など特定行動を起こしたくての訪問なのか、情報収集なのか、たまたま参照されて訪問してきただけなのかなど、訪問動機別の行動の把握や比較ができます。


▲「どこから」「どのコンテンツを起点に」の組み合わせで、訪問動機や意図別にユーザーをグルーピングする

10. 実際の性別、年齢別

「3. 性別、年齢別」はDoubleClick Cookieなどからの推測データでしたが、性別や生年(月日)を登録する会員制のサイトであれば、「7. 会員種別、プラン別」と同じ方法で、サイト利用者の実際の「性別」「年齢別」の区別ができます。

Googleアナリティクスのカスタムディメンションを利用して、会員登録時や「マイページ」閲覧時に「性別」「生年(月日)」をユーザーレベルで付与すれば、これらを分析の際のユーザー属性に加えられます。


▲会員登録時やマイページで性別や生年月日の値を取得できる(画像は一例)

おまけ. クライアントID

「クライアントID(Client ID)」とは、GoogleアナリティクスがユーザーごとにブラウザCookieへ保存する固有IDのことです。これまでGoogleアナリティクスの各レポートに登場することはありませんでしたが、2016年4月に登場した機能「ユーザーエクスプローラ」でクライアントIDごとの(つまりユーザーごと=ユニークブラウザごとの)各訪問とその行動が確認できるようになりました。

このクライアントIDは、標準ではディメンションで利用できません(執筆時)。Cookieには保存されている値ですので、Googleアナリティクスのカスタムディメンションを使ってユーザーレベルで付与すれば、各標準レポートでも利用できるディメンションとして扱えるようになります。


▲「クライアントID」をカスタムディメンションで取り込めば、活用範囲が広がる

運用フェーズでの分析が見込まれるのであれば、属性情報を取得できるよう計画的な導入面の整備を

以上、「ユーザー像」「ユーザー属性」を挙げてみました。これらを組み合わせることで「想定しているユーザー」に近いユーザーセグメントが作れ、行動状況の把握や分析につなげられます。

標準で準備されすぐに利用できるもの、別途計測した上でデータを蓄積しなければいけないもの、会員制のサイトで計測できるものなど、さまざまなものがあります。さらに、計測する上でJavaScriptの知識やサイト側の動的出力が必要になる場合もあります。

サイトの運用フェーズで分析することが見込まれるのであれば、計測すべき属性情報を取得できるように、計画的に導入面の整備を進めるのが良いでしょう。

以上、真摯のブログからお送りしました。
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