コンテンツマーケティングはコンテンツを作成しないと始まらないのはそうだが、目的と戦略を定めないと間違った方向に進んでしまう

コンテンツマーケティングはコンテンツを作成しないと始まらないのはそのとおりです。しかし目的と戦略を定めないと間違った方向に進んでしまいます。「とりあえずやってみる」は物事を前に進める上で重要なきっかけですが、それを尊重しつつ、プロジェクトの目的と戦略の設計をどこかのタイミングできちんと行うことが重要です。

目次

戦略が正しければ戦術のミスは挽回できるが、戦略が誤っていれば戦術をどれだけやっても誤った方向に進んでしまう

プロジェクトの目的、ゴール、戦略などを整理していきましょうか。

まずは目的を掲げます。目的は「Why」に該当します。かっこいいやつをお願いします。なぜやるのか、どのような状態を目指すのかなどを整理します。

  • なぜやるのか
  • どのような状態を目指すのか
  • 事業においてどのような役割を担うのか

ゴールは目的を達成している状態です。コンテンツマーケティングの場合、明確な数字のゴールを掲げるのは難しいです。成功しているとされる世の中の事例でも、明確な数値目標やKPIを設けていないところもあります。

目的はWhy、戦略はHow、戦術はWhat。戦術(施策)は戦略に紐付く
目的はWhy、戦略はHow、戦術はWhat。戦術(施策)は戦略に紐付く

目的に続いて戦略を立てます。戦略は「How」に該当します。目的に沿って「どのような方向性で取り組むのか」「どのように解決していくか」が戦略です。

そして、立てた戦略に沿って戦術(施策)を考えます。

ここで理解しておきたいのは「戦略が正しければ戦術のミスは挽回できるが、戦略が誤っていれば戦術をどれだけやっても誤った方向に進んでしまう」ことです。

冒頭で触れた「とりあえずやってみる」は、プロジェクトを前進させるきっかけとして大事な要素だとは思います(小さな成功で社内評価や理解を得やすくする意味でも)。それでも「戦略なき戦術の危なさ」は理解しておくべきです。戦術はそれだけをもって「やっている感」も「それらしき結果」も得られるのですが、誤った方向に進んでいないかを確認するには戦略が必要なのです。

戦略は限られたリソースの配分。初期は選択と優先度が鍵

コンテンツマーケティングの4つの戦略軸
コンテンツマーケティングの4つの戦略軸

コンテンツマーケティングにおける戦略は、4つの戦略軸として以前の記事で紹介しました。

  • オーディエンスビルディング
  • コンテンツ
  • ディストリビューション
  • エンゲージメント獲得

これらの戦略設計に取りかかると気付くと思いますが、大変です。壮大なプロジェクト計画の様相です。あれ?御社にコンテンツマーケティングにかけられるリソースはそんなにあったでしょうか?

コンテンツマーケティングに豊潤なリソースで取り組めることは稀です。チームは少人数で予算も限られているはずです。

戦略は限られた資源の配分である
戦略は限られた資源の配分である

戦略は限られた資源の配分です。

  • ヒト(チームの人員やクリエーター)
  • モノ(利用ツールやサービス)
  • カネ(予算)
  • 時間(スケジュール、期限)
  • 情報(コンテンツアイデア、社内ノウハウ)

すべて豊潤に揃っているところはないでしょう。限られたリソースの中でやりくりするしかありません。最初からすべての戦略に対して網羅的に取り組むのは難しいです。

限られた資源ですべてを初期から網羅的に取り組むのは困難。選択あるいは優先度を設ける

4つの戦略軸は理想として置き、その中で初期はどれを選択するのか、どれを優先して取り組むのかを考えるのが現実的です。まずはコンテンツを作りリリースするところからがスタートです。

段階的な問題を越える必要がある

コンテンツマーケティングはすぐに結果が出る取り組みではありません。体制を整え、質を高め、成果を生み始めるまで1~2年という長い期間を要します。

コンテンツマーケティングでは長期戦+適切な期待値と戦略設計を
コンテンツマーケティングでは長期戦+適切な期待値と戦略設計を

コンテンツマーケティングを進めるにはいくつかの段階的な問題を越える必要があります。ベイジさんのブログ記事に簡潔に良くまとまった内容がありましたので1、それを参考にして手を加えた図を上に挙げました。

  • 更新の問題
    • 更新頻度
    • 運用体制
    • 社内評価
  • 質の問題
    • コンテンツ品質
    • オーディエンスビルディング
    • ディストリビューション
    • エンゲージメント獲得
    • PVや流入数
  • 成果の問題
    • コンバージョン獲得
    • コンテンツと自社商品の関連性
    • 顧客化や関係性構築

難易度も年々高くなっている印象です。「コンテンツマーケティングは無理ゲー」という声が聞こえたりするのもわかります。2年経って成果が出る保証のないものにどれだけ資源を投下できるか、冷静であればなかなか積極的にはなれません。

そんな中、「とりあえずやってみる」の勢いだけで無計画に進めてうまくいくでしょうか。前に進みたいのであれば、「とりあえずやってみた」の勢いがあるうちに目的と戦略を立ててから進んでみてください。少なくともより適切な方向に進めるはずです。

成果の問題をクリアするにはよりオーディエンスビルディングの重要性が高まる
成果の問題をクリアするにはよりオーディエンスビルディングの重要性が高まる

前に進むうちに、「コンテンツの更新だけではうまくいかない」ことに少しずつ気が付くはずです。限られたリソースです。少しずつ手を広げていくしかありません。鍵を握るのはオーディエンスビルディングと考えています。

話が長くなってきました。このテーマはこのあたりまでにしましょう。

まとめ

  • 戦略が誤っていれば戦術をどれだけやっても誤った方向に進んでしまう
  • 戦略は限られたリソースの配分。初期は選択と優先度が鍵
  • コンテンツの更新だけではうまくいかない。質の問題、成果の問題も意識せよ

コンテンツマーケティングの4つの戦略軸とオーディエンスビルディングの話はこちら。

この記事は、当社の資料『コンテンツマーケティングの戦略設計 – 取り組むべきはオーディエンスビルディング』の内容の1トピックスを記事化したものです。

脚注

  1. オウンドメディアの成功法則を全6万字で徹底解説(戦略・記事・運用・認知のポイント) | knowledge / baigie ↩︎
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