コンテンツマーケティングのKPIに何を設けるかというテーマを取り上げるとき、テキストコンテンツの読了率が候補に挙がることがあります。読了率はテキストコンテンツのKPIになり得るでしょうか?
コンテンツマーケティングのKPIを一つだけ挙げるとすれば「どれだけオーディエンスを作ることができたか」ではないか
「コンテンツマーケティングのKPIを何にするか」という問題は、多くのプロジェクトが悩んでいるものかもしれません。コンテンツマーケティングはすぐに結果が出る取り組みではありません。これで果たして良いのだろうかと迷ったり、良い状況に向かっているのか実感をつかめないままというところもあるはずです。
ここではコンテンツマーケティングのKPIや評価軸について話をしていきます。
コンテンツマーケティングのエンゲージメント獲得で意識すべきは「関係性の分岐点」
コンテンツマーケティングでのエンゲージメント獲得では「関係性の分岐点」を意識すると良いです。そのコンテンツ単体へのアクションを期待するだけでなく、どうすれば関係性のないユーザーに対して「次のメッセージ」を届けられるかを意識すれば、オーディエンスビルディングにつなげられます。一方で、短絡的な目先の獲得ではなく段階的に受け入れてもらう設計も必要です。
ここではエンゲージメント獲得について話をしていきます。
コンテンツマーケティングでは届け伝えることを怠ってはいけない
コンテンツマーケティングでは届けること、伝えることを怠ってはいけません。コンテンツを作ることにフォーカスが当たりがちですが、「コンテンツを使ったマーケティング活動」である限りユーザーに届けてからが本番とも言えます。
ここではコンテンツをいかにして伝え届けるか、ディストリビューションの話をしていきます。
そのコンテンツは、違う見せ方をすることで別プラットフォームで評価を得るかもしれない
コンテンツマーケティングでは「コンテンツは公開したら終わり。あとは配信と集客、成果獲得をがんばる」というわけではありません。コンテンツは違う見せ方をすることで、別プラットフォームで評価を得るかもしれません。「ブログ用のコンテンツ」は他のチャネルのコンテンツとして機能する可能性を持っています。
ここではコンテンツのフォーマットの話をしていきます。
コンテンツマーケティングで届けるべきは「自分たちだからこそ伝えられること」か「自分たちも見たいもの」
コンテンツマーケティングに取り組む上で「どのようなコンテンツを届けるべきか」を考えるとき、バリュープロポジションの考え方が参考になります。顧客となるユーザーの興味関心にアプローチしつつ、自社が提供できる価値とマッチさせなければいけません。
オーディエンスビルディングの拡大でコンテンツマーケティングは回り始める
オーディエンスビルディングを拡大できれば、コンテンツマーケティングはきっとうまく回り始めます。「自走する」とまではいかないものの、ディストリビューション(配信)とエンゲージメント獲得を効果的に進められるはずです。
コンテンツマーケティングはコンテンツを作成しないと始まらないのはそうだけど、目的と戦略を定めないと間違った方向に進んでしまうよね
コンテンツマーケティングはコンテンツを作成しないと始まらないのはそのとおりです。しかし目的と戦略を定めないと間違った方向に進んでしまいます。「とりあえずやってみる」は物事を前に進める上で重要なきっかけですが、それを尊重しつつ、プロジェクトの目的と戦略の設計をどこかのタイミングできちんと行うことが重要です。
コンテンツマーケティングで重要なのは、PVよりも再アプローチ可能なユーザーとの関係性構築
コンテンツマーケティングやオウンドメディアのKPIに何を設けるかという問題は、ときどき議題に挙がるテーマです。結局は「なぜやるのか」「どのような状態を目指すのか」といった目的に紐付くのですが、目的を達成できている状態「ゴール」を分解して重要指標の候補を検討していると、多くのケースで「ページビュー」が挙がってきます。
個人的には、ページビューを複数あるKPIの一つに設けてもよいとは思っています(もちろん設けなくてもよいです)。しかしページビューだけが唯一のKPIだったり、最重要で必達のものとして扱うことには反対です。ページビューはコンテンツの品質を担保せず、それが組織でKPIとして扱われた場合に品質を軽視した運用に向かいやすいからです。そうなると目的の達成は遠くなります。
一見わかりやすく対外的にも示しやすい「規模」を上層部が求めることには一定の理解をします。しかし、運用チームには目的からブレずにいてほしいのです。
2023年は「単一ツールのトラッキングの限界」を大前提として向き合わなければいけない
2023年はよりいっそう「単一ツールのトラッキングの限界」を大前提として意識しないといけないと捉えています。Cookieの制限や限界、トラッキング拒否、7月のGA4への完全移行(ユニバーサルアナリティクス版の計測停止)、プラットフォームやチャネルの多様化といった要素が並び、そろそろ全面的に考え方を更新しないといけません。
ユーザー行動の完全な計測はもう期待してはいけません。数値のズレはよくあることで問い詰めても何も出てきません。
一つのプラットフォームやチャネルで異なる複数のツールが利用できればラッキー。積極的に違う分析視点や手段を持っていたいところです。
去年ぐらいから意識をしていましたが、より「オーディエンス」「アクション」へのフォーカスを強めるのが良いのでは、と感じています。コンバージョン軸ではなく、と言うと言いすぎかもしれません。ビジネスである以上コンバージョンは変わらず重要な地点ですが、施策や分析視点をコンバージョン軸に置き続けるのは厳しい、という感じです。