Googleアナリティクスには、「URLクエリパラメータを除外」という設定項目があります。この項目を設定することで、計測上不要なURLパラメータを除外できます。
複数のURLパラメータを指定する際は、半角カンマ「,」で区切ります。
目次
なぜ、「URLクエリパラメータを除外」の設定が必要なのか
Googleアナリティクスは、仕様としてページをURL単位で計測します。URLにパラメータが付与されていると、実際は同じページにも関わらず、別のページ(異なるURL)として計測され、分析する上で不都合となることがあります。これを防ぐために、計測上不要なパラメータは除外し、計測URLを正規化しておきます。データ分析の際は、できるだけゴミを取り除くことが大事です。
また、Googleアナリティクスでは、それぞれの標準レポートで記録されるデータ件数(行数)が50,000件に制限されています。例えば、1日に計測できるページURLの種類は50,000件までで、それ以上は「(other)」として集約されます。この50,000件の制限を超えるようなサイトの場合、URLを何らかの条件で集約しておいたほうがよい、ということになります(プレミアム版では75,000件)。
データ制限については以下ページを参照のこと(「日次処理済みテーブルのデータ制限」の項目)。
レポートの (other) 項目 – アナリティクス ヘルプ
どのようなURLパラメータを除外すればよいのか
「URLクエリパラメータを除外」の項目では、どのようなURLパラメータを指定すればよいのでしょうか。基本的には「記録しなくても、分析上影響を受けないURLパラメータ」を指定します。一般的には以下のものが挙げられます。
- セッションID
- データベースから動的にページ生成するサイト(動的サイト)での計測上不要なパラメータ
- FacebookなどのWebサービスが付与する判別用のパラメータ
ただし、サイトを分析する上での要件やサイト構造により、異なってきます。
1. セッションID
ECサイトなどで、訪問の一連の行動を管理するために、URLに仮のセッションIDをパラメータで付与してサイト内遷移で引き回すことがあります。このようなセッションIDが付与されると、あらゆるページがユニークなURLで計測されてしまいます。また、そこまでしてGoogleアナリティクス上でセッションIDを記録する必要がないことがほとんどです。基本的には除外設定して問題ないでしょう。
2. データベースから動的にページを生成するサイト(動的サイト)での計測上不要なパラメータ
データベースから動的にページを生成する動的サイトの場合、さまざまな変数をURLパラメータに渡すことになります。そのとき、分析する上で必要ないと判断できるものは、除外しておきましょう。
例えば、「商品ID」や「カテゴリーID」は必要で、「色ID」「サイズID」は不要、といった判断です。これはビジネス要件により異なります。そもそもアイテム数が大量のため、URLベースで各アイテムや要素の分析をすることがほとんどなければ、すべてのIDを除外する、という判断でもよい場合もあります。
他にも、サイト内検索でオプションの項目のURLパラメータがデフォルトで多く付与されているケースがあり、除外設定の対象となります。
3. FacebookなどのWebサービスが付与する判別用のパラメータ
セッションIDや動的サイトでのURLパラメータは、自社サイトがコントロールしているものですが、外部のサイトが付与するURLパラメータはコントロールできません。特に近年、ソーシャルメディアをはじめとしたWebサービスが「そのWebサービス経由での訪問」を確実に判別させるために、遷移先のURLに独自のURLパラメータを付与するケースが増えてきました。リファラの概念を持たないアプリ経由のトラフィックが増えたことが一因です。
Facebookが付与するURLパラメータの例
/01.html?fb_action_ids=420309184694383,420220048036630,420219284703373&fb_action_types=og.likes&fb_source=other_multiline&action_object_map={"420309184694383":452834471436187,"420220048036630":424332687602719,"420219284703373":420907211291016}&action_type_map={"420309184694383":"og.likes","420220048036630":"og.likes","420219284703373":"og.likes"}&action_ref_map=[]
例えばFacebookは、上記のようにさまざまな種類のURLパラメータを付与することがあります。このようなURLパラメータはコントロールできず、またその都度さまざまな値や種類を変化させるため、同じページにも関わらず何パターンものURLが記録されてしまいます。これは事前に防ぐ必要があります。
上図のレポートは、実質はすべて同じページの状況ですが、FacebookのさまざまなパターンのURLパラメータが付与されているために、データが分散してしまっています。パラメータを除去し、URLを集約しなければなりません。
Facebookが付与するパラメータには、以下のものがあります。
Facebookが付与するパラメータ(執筆時)
- fb_xd_fragment
- fb_action_ids
- fb_action_types
- fb_source
- fb_comment_id
- fb_aggregation_id
- action_object_map
- action_type_map
- action_ref_map
これらは基本的にはすべて除外設定して構いません。
「URLクエリパラメータを除外」設定例(Facebookが付与するもの)
fb_xd_fragment,
fb_action_ids,
fb_action_types,
fb_source,
fb_comment_id,
fb_aggregation_id,
action_object_map,
action_type_map,
action_ref_map,
他のWebサービスでも、URLが分散して分析する上で不都合が出るものがあれば、除外設定しておきましょう。
追記。パラメータ「fbclid」について(2018年11月1日)
2018年10月11日頃より、Facebookはリンク先URLに新たなパラメータ「fbclid」を付与し始めました。ファーストパーティCookie版Facebookピクセルへの対応の一環かと思われます。こちらもURL正規化の対象として、除外設定して構わないです。
なお追記の時点では、執筆当時にFacebookが付与していたパラメータの多くは付与されていない模様です。追記終わり。
除外設定しなくてよいURLパラメータ
Googleアナリティクスのカスタムキャンペーンで利用されるパラメータ(通称「UTMパラメータ」)は、除外設定する必要はありません。Googleアナリティクスはレポート表示の際に自動で削除の処理をします。
カスタムキャンペーンについては以下を参照。
カスタム キャンペーン – アナリティクス ヘルプ
URL 生成ツール – アナリティクス ヘルプ